【実体験】仕手株で大失敗した話
投資の情報収集としてSNSや掲示板を利用する方も多いと思います。有益な情報もありますが、「○○○は絶対に上がる」と具体的な銘柄名を出し、株価が上がることを断言したり、株を買うよう仕向ける投稿を多く見かけます。
上手い人が言っているなら間違いない!と買いたくなりますが、実はこれ、初心者が取り返しのつかない失敗をしかねない「仕手株」というものです。
実は私も投資を始めたころ、仕手株で大失敗をしてしまいました。
この記事で1人でも私のような失敗をする人が減りますように。
仕手株とは
特定の人や集団によって意図的に株価が操作されている銘柄のことをいいます。株価が乱高下し、大損するリスクがあるので、初心者は仕手株と思われる銘柄の取引は避けるべきでしょう。
仕手株大失敗談
仕手株との出会い
投資を始めてほんの数日のある夜、某SNSで具体的な銘柄を挙げて、株価が上がると断言している人を見つけました。
「この人は魔法使い?」「言われた銘柄を買っていけば全員大金持ちになれるのに」「この投稿を見つけた私ラッキー!」
その銘柄はここ数日株価が上昇しており、何かいい情報が出てこれからぐんぐん伸びるに違いないと確信し、明日の朝イチで買うことを決心。
今思えばその企業が何をしているかさえも知らないまま判断をしていました。
ほんの一瞬の出来事
翌日の相場開始直後、どんどん上がる株価に乗り遅れまいと成行注文で購入。
その数分後、上昇が落ち着いたと思ったのも束の間、株価がものすごい勢いで真っ逆さまに下落し始めたのです・・・
あたふたしているうちに、損切りをためらうほどの含み損に。
その日も、もちろんそれからも上がる気配はなく、無念の塩漬け株デビューとなりました。
仕手株の不思議
後日チャートを見返すと、「〇〇という銘柄が上がる」と投稿があった日まで数日かけ少しずつ上昇、投稿の翌日(私が買った日)は急激に株価が上昇したあと、すぐに上昇前の株価まで下がり、しばらく上がることはありませんでした。
不思議なことに、その銘柄は過去にも同じように急上昇してすぐに下落している日が何度かあったのです。
なぜ上がる銘柄を当てられるのか
この投稿の人はなぜ株価の急上昇を予測できたのか疑問に思っていましたが、株に慣れてきた頃にやっと気づきました。
予測していたのではなく、その人が銘柄を出したことで急上昇しました。
株価を上げたのは私のようにその株に飛びついた人たちだったのです。
仕手株の仕組み
なぜその人は、株価を急上昇させる必要があったのでしょうか。
株には必ず売り手と買い手がいます。株で儲けるには、自分が買った値段より高い値段で買ってくれる人が必要です。
仕手は特定の銘柄を安い値段で仲間内で買い集め、少しずつ上昇させ、これから上がりそうなチャートを作ります。
最後に銘柄を買い煽ることで飛びついてきた私のような人に売ります。これが仕手株の仕組みです。
仕手株のその後
仕手は、株価が急上昇したところでどんどん売り抜けます。株価が一旦下がりだすと多くの飛びついた人が売るので株価がものすごいスピードで下落します。初心者の場合、ここでうまく損切りができないことがほとんどです。
一度チャートに仕手が入ると、損切りできなかった人が高値で多く捕まっているので、仮に良いニュースが出て株価が上がったとしても、長く捕まっていた人たちの逃げ売りが起こり、株価は思うように上がりにくくなります。
これはおそらく仕手が入った株のチャートです。
同じ銘柄が何度もターゲットになることもあります。
(明確ではないため銘柄は伏せます)
仕手株になりやすい株の特徴
仕手株になりやすい株には3つの特徴があります。
1. 時価総額が低い
株数が少ないので、株価が急上昇しやすくなります。
2. 出来高が少ない
少ない売買で「これから上がりそうなチャート」を作ることができます。
3. 株の価格帯が安い
仕手がリスクの低い位置で株を買い集めることができます。
また、初心者が買いやすいため飛びつきが起こりやすくなります。
仕手株での大失敗を避けるために
自分で考えて銘柄を買う
銘柄は必ず自分で根拠を持って選ぶようにしましょう。
ちゃんと自分で考えて買ったものは、利益が出ても損失が出ても学びがあります。
また、初心者のうちはSNSで見かけた銘柄を実際に取引せず、チャートを追うだけでも学びになります。
急上昇銘柄は触らない
株価が短期間で急上昇している銘柄は、仕手や話題性問わず、手を出さない方が賢明です。初心者が急上昇に気付く頃には、すでにピークまで上がりきっていることがほとんどです。
早めに損切りをする
もし誤って仕手株を触ってしまった場合、株価が下がり始めれば必ず損切りしましょう。資金が少ない場合、損切りした損失額よりも資金が拘束されることでほかの銘柄を買えないことによる機会損失の方が大きいです。
後日しっかり振り返りができたのなら、その損切は勉強代です。
(半分自分に言い聞かせています...笑)
*記事内でご紹介する個別銘柄及び各情報は情報提供のみを目的としており、投資の勧誘や個別銘柄の売買を推奨するものではありません。